糖尿病合併症について
糖尿病の合併症はさまざまありますが、実は歯科にも大きく関係があるのをご存知ですか?今回は糖尿病とその合併症についてお話していこうと思います。
■糖尿病とは?
血液中の血糖値が慢性的に高い値を持続する疾患です。大きく1型糖尿病と2型糖尿病に分かれており、1型糖尿病はインスリンをつくる膵臓の細胞が障害されることで起こるため、インスリン依存型とも呼ばれています。2型糖尿病では、食べ過ぎ・飲み過ぎや運動不足、ストレスなどにより膵臓の働きが弱まったり、インスリンの働きを阻害する物質が体内にたまることによって発症します。遺伝的要素も大きく、家族に糖尿病患者がいる場合に発症する可能性が高いといわれています。そのため、2型はインスリン非依存型とも呼ばれています。日本の糖尿病患者の大多数は2型だといわれています。一度発症すると完全に治るということがないため、生涯を通してうまく付き合っていくことが大切となります。
■糖尿病の基準値
糖尿病の最新の基準値は、以下のようになっています。
●空腹時血糖値
・10時間以上絶食した状態で計測。食事前、血糖値がもっとも低くなっている状態の値を判定。
正常値 80mg/dl~99mg/dl
糖尿病予備軍 100mg/dl~125mg/dl
糖尿病の可能性が高い 126mg/dl~
●随時血糖値
・ブドウ糖75gを水に溶かしたものを飲み、30分後、1時間後、2時間後に計測。食後のインスリンの効き方を判定する。
正常値 80mg/dl~139mg/dl
糖尿病予備軍 140mg/dl~199mg/dl
糖尿病の可能性が高い 200mg/dl~
■合併症
●慢性的合併症
三代合併症
・神経障害
・網膜症
・腎症
その他に
・歯周病
・心筋梗塞、狭心症
・脳梗塞
・閉塞性動脈硬化症
●急性合併症
糖尿病ケトアシドーシス
高血糖高浸透圧症候群
■糖尿病と歯周病
●糖尿病が歯周病に与える影響
歯周病新規発症率:2型糖尿病患者は正常者の約2.6倍。
糖尿病になると細菌に対する抵抗力や組織の修復力の低下、口腔内の乾燥等が生じ、それらが歯周病を悪化させてしまいます。歯周病にかかるリスクも2倍以上と言われており、さらに血糖のコントロールが悪いと歯周病がより重症化しやすい傾向にあります。
●歯周病が糖尿病に与える影響
歯周病により誘導された物質(TNF-α)によりインスリンの働きが阻害され血糖値が下がりにくくなります。歯周病が重症化すると血糖のコントロールが悪くなる事もあるため、歯周病を治療する事が重要です。
生活習慣病の1つでもある糖尿病。歯周病の治療をすることで数値を抑えることができます。日々のケアで身体の健康を守るためにクリーニングを定期的に行いましょう。