北砂小嶋歯科クリニックブログ blog

誤嚥性肺炎の予防

高齢の方の死因の1つともされる誤嚥性肺炎、どのような原因で起きるのか?お口の中の環境で予防することができます。


■誤嚥性肺炎とは

誤嚥とは、唾液や食物、胃液などが食道ではなく、気管に入ってしまうことをいいます。その食物や唾液に含まれた細菌が気管から肺に入り込むことで起こるのが誤嚥性肺炎です。

起きているときに気管にものが入ればむせて気がつきますが、眠っている間に唾液を少しずつ誤嚥することがあり、これは気がつきにくいものです。とくに高齢者はなおさら気がつきにくい為、誤嚥性肺炎は高齢者に多く発症し、そして菌が薬に対して抵抗力をもってしまい、薬が効きにくくなります。その為予防に努めること、かかってしまった際には完全に治すことが大切です。

治療には抗生物質を用いますが、ステロイド剤を用いることもあります。さらに呼吸がうまくできずに酸素欠乏状態になった場合は、酸素吸入や状態によっては人工呼吸器を装着することもあります。

■誤嚥性肺炎の予防

誤嚥性肺炎の予防には、次のことを心がけましょう。

(1)口腔の清潔を保つ 

口腔は肺や胃腸の入り口です。適度な湿度と温度が保たれている口腔は細菌にとって居心地よく、歯磨きやうがいを怠るとすぐに細菌が繁殖します。そのため歯磨きをしっかり行ない、歯医者で定期検診を受け、クリーニングをして口のなかの細菌を繁殖させないこと、そして肺へ運び入れないことが重要です。

(2)胃液の逆流を防ぐ 

ゲップや胸焼けなどがある場合は、胃液の逆流が起こりえます。その場合、食後2時間ほど座って身体を起こしていることで、逆流を防止できます。

(3)嚥下反射を改善する 

嚥下とは物を飲み下すことをいいます。これがうまくいかない状態を嚥下障害といい、誤嚥性肺炎を引き起こす原因のひとつです。

※嚥下障害とは…食物を噛んだり、唾液や噛み砕いた食物を飲み下したりすることができにくくなる状態です。

食物を口のなかで噛み砕く→舌を使って口の奥に送り込む→ 嚥下する

といった流れで食事をします。このとき、口の奥の天井の部分(軟口蓋)が鼻腔を塞ぎ、気管の蓋である喉頭蓋が閉じます。これにより口のなかのものが気管や鼻に入り込むことなく、食道から胃へと送り込まれるのです。 しかし脳卒中や脳神経系や筋肉に障害を生じた場合、一連の動きに支障が起こります。

(4)薬を用いる 

誤嚥性肺炎の再発予防には脳梗塞予防薬が有効とされ、用いられることがあります。

高齢者は全身機能の衰えに伴なって嚥下機能も低下し、むせやすくなったり、唾液が減り、口のなかが乾燥して食物を飲みにくくなります。

■嚥下障害の改善方法

(1)舌を鍛える

舌回し運動を行い、口腔内の筋力を上げる。唇をしっかり閉じた状態で歯の表側を舐めるようにまず右回りに回す。(2、3秒かけてゆっくり1周)右回しを20回、左回しを20回で1セット。これを朝、昼、晩の1日3回食事前に行う。

※理想は左右20回ずつだが、最初は5回ずつからでも良い。必ず同じ回数行うこと。(左右の筋肉のつき方が変わってしまうため)

(2)口腔内を潤す

舌回しをすることで唾液腺が刺激され、唾液の量も増える。他にはこまめに水分補給することや、口腔内ジェルを用いて口の中の水分を増やす。そうすることで入れ歯の吸着もよくなる。よく噛むことでも唾液の量が増えるので、一口20回以上噛むことを意識する。噛むことで脳にも刺激がいくので、アルツハイマーの予防にもつながる。


舌回し、こまめな水分補給、噛む回数を増やすことは今日から始めることができるので誤嚥性肺炎の予防の為にもお試し下さい。

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