認知症と歯の関係性とは?
年齢を重ねてくると、身近になってくる認知症。
同年代の方が認知症になったり、自身の物忘れなど気になってくるという方は少なくないはず。
実は、この認知症と口腔内あらゆる関係性があるんです。
今回は認知症と口腔内の関係性についてお伝えしていきます。
■認知症とは?
「認知症」とは、物忘れ、日付を間違えたり、場所や人を覚えられなくなったりするなどの症状をもつ脳の病気です。
■認知症の種類
認知症で最も多いのがアルツハイマー型認知症で、認知症全体の半数以上を占めます。次いでレビー小体型認知症、脳血管性認知症、前頭側頭型認知症となっています。
脳血管性認知症の割合は、治療や予防方法の進歩によって減少傾向にありますが、アルツハイマー型認知症は増加傾向にあります。
■歯と認知症の関係性
・歯の喪失
・噛む力の低下
・歯周病
この3つが大きく関係していると言われています。
●残存歯が少ないと脳の働きに影響が出る
歯がある状態で物を噛むことは、脳に刺激を与えてくれることが分かっています。
それは、歯と歯を噛み合わせたときの刺激が、歯根にある歯根膜から脳に伝わり、その刺激が脳を活性化させるためです。
歯が無くなることで、脳が刺激されにくくなり、脳の働きに影響を与えてしまうということが分かってきています。「残存歯が少ない方」は「歯が多く残っている方」に比べて1.9倍もの認知症リスクが高いと言われています。
●噛む事の必要性
歯がある方でも意識して噛む(咀嚼)することは大切です。
食事を意識して噛んで食べていないと、脳への刺激が少なくなり、記憶や学習能力に関わる海馬の細胞数が少なくなり、感覚、運動、思考などの機能を司っている脳の働きが低下する恐れがあります。
また、入れ歯をしている方でも、ご自身に合ったもので噛むことで、脳への刺激を与える効果は期待できます。
●歯周病
歯周病の進行により、口の中の歯周病菌や炎症のもととなる物質などが、血流に乗って脳に運ばれて何らかの影響を与えているとも考えられています。
お口は全身の入り口です。認知症だけでなく、様々な病気予防の為にも、日頃のお口のケアそして定期的なメインテナンスをしっかりしていきましょう。