北砂小嶋歯科クリニックブログ blog

欠損補綴(けっそんほてつ)は、歯が失われた場合に、その欠損を補うための治療法や補綴物(ほてつぶつ)を用いる歯科治療です。欠損歯は、口腔の機能や美観に大きな影響を及ぼすため、適切な補綴治療が重要です。今回は、欠損補綴の種類、メリットとデメリット、そして治療の流れについて詳しく説明します。


 欠損補綴の種類

欠損補綴には、主に以下の3つの方法があります。

1. ブリッジ

ブリッジは、欠損歯の両側の健康な歯を支えとして、その間に人工歯を橋渡しする方法です。支台となる歯(アバットメント)は削られてクラウンを装着し、その間にポンティックと呼ばれる人工歯を固定します。ブリッジの主な利点は、自然な見た目と比較的短期間で治療が完了する点です。しかし、隣接する健康な歯を削る必要があるため、歯の健康への影響が懸念されます。

 2. 義歯

義歯には部分入れ歯と総入れ歯があります。部分入れ歯は、いくつかの歯が欠損している場合に使用され、残存歯にクラスプを掛けて固定します。総入れ歯は、すべての歯が失われた場合に使用されます。義歯の利点は、手軽で経済的な点です。しかし、装着時の違和感や噛む力の制限、定期的な調整が必要となることがデメリットです。

3. インプラント

インプラントは、顎の骨に人工歯根(チタン製のネジ)を埋め込み、その上に人工歯を装着する方法です。インプラントの最大の利点は、自然な見た目と機能を回復できることです。骨と結合するため、非常に安定しており、隣接する健康な歯に影響を与えません。しかし、手術が必要であり、治療期間が長く、費用も高額になることがデメリットです。

欠損補綴のメリットとデメリット

欠損補綴は、見た目や機能を回復するための重要な治療法ですが、それぞれの方法にはメリットとデメリットがあります。患者の個々の状況や希望に応じて最適な方法を選択することが重要です。

メリット

1. **機能の回復**: 欠損補綴により、噛む力や発音が改善されます。
2. **美観の向上**: 人工歯を装着することで、自然な笑顔を取り戻すことができます。
3. **口腔の健康維持**: 欠損部分を放置すると、残存歯が移動し、不正咬合や歯周病のリスクが増加します。補綴物を装着することでこれを防ぐことができます。

デメリット

1. **コスト**: 特にインプラントは高額な治療費がかかります。
2. **治療期間**: ブリッジや義歯は比較的短期間で完了しますが、インプラントは数ヶ月を要することがあります。
3. **手術の必要性**: インプラントは外科手術が必要であり、患者の全身状態や骨の状態によっては適応できない場合があります。

 欠損補綴の治療の流れ

欠損補綴の治療は、以下のようなステップで進行します。

1. 初診・カウンセリング

患者の口腔内を検査し、レントゲン撮影やCTスキャンなどを行います。その上で、患者の希望やライフスタイル、予算に応じて最適な補綴方法を提案します。

2. 治療計画の立案

患者と相談しながら治療計画を立てます。治療方法、期間、費用などについて詳細に説明し、納得の上で治療を進めます。

3. 補綴物の製作と試適

選択した補綴方法に基づいて、型取りを行い、補綴物を製作します。製作した補綴物は、患者の口腔内に試適して調整を行います。

4. 装着と調整

補綴物が完成したら、実際に装着し、最終調整を行います。適合を確認し、患者が快適に使用できるように微調整を繰り返します。

5. メンテナンス

補綴物を長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが必要です。歯科医院での定期検診やクリーニング、自宅での適切な口腔ケアを続けることが大切です。


欠損補綴は、失われた歯の機能と美観を回復するための重要な歯科治療です。ブリッジ、義歯、インプラントといった様々な方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。患者の状況や希望に応じて最適な方法を選び、適切な治療を行うことが大切です。定期的なメンテナンスを行うことで、補綴物を長持ちさせ、健康な口腔環境を維持することができます。

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