歯の神経について②
前回に引き続き歯の神経についてお話していきます。今回は神経を抜くことのメリットやデメリットについてお話していきます。
●歯の神経を抜くことのメリット●
〇痛みを感じなくて済む
歯の神経を取り除くために歯の根っこが露出してしまったり、被せものをした後に虫歯になったとしても、痛みが起こったりしみたりということがありません。
〇審美性の高い被せものができる
神経があるままだと、被せものをする前に削ることがあまり削れないので被せものの角度や大きさに限りがあります。ですが、神経を取ってしまえば歯の角度や大きさを修正できるので審美性の高い被せ物を作ることができます。
〇虫歯の進行を防止できる
虫歯が進行すると、神経に菌が通れるため骨まで菌が届いてしまいますが、神経を取り除けば念入りに消毒できるので虫歯の進行を食い止めることができます。
●歯の神経を抜くことのデメリット●
〇歯が弱くなる
神経を取り除くと、その周りの細かな血管まで取ってしまうことになるため、栄養分が歯に行かなくなり歯が弱くなると言われています。
そのため、歯の寿命が短くなってしまうと言われています。
〇歯が変色する
歯の神経を取り除くと、歯の色が変わってくるとも言われています。神経を取り除いた歯は白い色から褐色になってきます。
〇痛みが起こることもある
神経を取ると、一生全く痛みを感じずに済むと考えている方は多いでしょう。
ですが、神経を取り除いた後の部分が細菌感染してしまうと、数年経った頃に歯茎の腫れや痛みが起こることがあります。
〇費用や治療期間がかかる
神経を取り除く治療は、元の歯のような形や色に戻すために治療期間や費用がかかってきます。つまり、歯の寿命という観点から言うと、メリットよりデメリットの方が多いかもしれません。
●虫歯の痛みが治まった状態を放っておくと●
虫歯が痛くても痛みが治まったからといって歯科医院に行かない方がいらっしゃいますが、これは単に歯の神経が死んだため痛みを感じなくなっただけという可能性があるので治っているということではありません。
痛みがなくなったからと言って放っておくのは危険です。放置すると、あごの骨の内部で膿が溜まってしまい歯ぐきが腫れてしまったり、最悪抜歯になってしまったりしますので放っておくのはやめましょう。
今回は2回に分けて歯の神経の役割やメリットデメリットについておはなししました。
実際の治療現場では何を優先に考えるかによって、治療の選択肢が変わってくることが多いです。さまざまな問題を考え無理やり神経を残してしまうより抜いた方がメリットが多いと歯科医師が判断すれば、神経を取り除くこともあります。
不安な点や心配な点などはなんでもご相談ください。