従来の印象と光学印象について
虫歯の治療に使う被せ物や詰め物を作るためお口の中の型どりをすることを印象採得(いんしょうさいとく)と言います。
型どりにもいくつか種類があるのをご存知でしょうか?今回は印象材についてお話していきます。
●従来の型どり
従来の型どりに使う材料(印象材)の種類は大きく分けて「アルジネート」と言う粘土のような軟らかい材料と弾力性に富んだ「シリコーンゴム」の二種類です。
このうち現在の歯科治療で最も使われている印象材は前者のアルジネートです。 アルジネートの主成分はアルギン酸ナトリウムと石膏です。 アルギン酸とは海藻から抽出される成分でありかまぼこなどにも使われています。 アルジネートは操作性もよく歯科治療の多くのシーンで使われますが細部までの細やかな型をとることに不向きでありアルジネートの精度を補うため流動性の高い寒天と併用して型どりをします。
インプラント治療など、より精密な型をとりたい時にはシリコーンゴムでの型どりをします。 シリコーン印象材は寸法精度が高く変形しにくいメリットがありますが、型どりをはずす際にかなりの力がかかるため揺れている歯があると抜ける可能性があるなどのデメリットもあります。 型どりをした後は石膏を注ぎ出来上がった模型で技工士さんが被せ物や詰め物を作っていきます。
●光学印象とは
光学印象とは従来の歯の型どりとは異なり、お口の中をカメラでスキャンして3Dデータをデジタルで取得する型どりのことです。
口腔内スキャナーの先端部を口の中に挿入して歯列を撮影し、デジタルデータに変換していきます。
光学印象のメリット
*従来の型どりよりも制度が高い場合がある
*嘔吐反射のある患者様にもやさしい
*従来の型どりよりも時間が短縮できる
*スキャン画像をすぐに確認することが可能(患者様も確認できる)
当医院では、インビザライン矯正の際に光学印象を用いお口の型どりを行っています。
今後、光学印象機器を用いることにより、従来の粘土のような材質での型どりは不要となり、歯科医療現場に大きな変化が起こるでしょう。